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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年2月17日「ハポンさん」

ヨーロッパのスペイン南部にある町コリア・デル・リオには「ハポン」という姓を持つ人が600名ほど暮らしています。

ハポンとはスペイン語で「日本」を意味する言葉。
彼らは皆「自分たちは日本から来た侍の子孫だ」と言っているのです。
そこで歴史を調べてみると、400年ほど昔に日本人の足跡が確かにこの町にありました。
仙台藩の伊達政宗がスペインと通商を結ぶために、支倉常長をリーダーにした慶長遣欧使節団をスペインに遣わしましたが、使節団がスペインに渡ってしばらく滞在したのが、この町コリア・デル・リオだったのです。

さらに使節団のその後を追っていくと、リーダーの支倉常長らは7年後に日本に帰国しましたが、日本に戻らなかった団員が8名ほどいて、ひょっとしてその8名が陽気なスペインの人々と風土に惹かれてしまい、そのままコリア・デル・リオの町に住み着いて、子孫を作っていったのかもしれません。

ちなみに、ヨーロッパでも昔から米づくりをしていますが、その稲作は籾を直にばらまくやり方。
でもこの町の周辺では日本と同じように苗床を作って水田に植えていく風習があるのです。
これはスペインはおろか、ヨーロッパのどの地域でも見られない方法。
日本に戻らなかった使節団のだれかが栽培技術を伝えたと考えられています。