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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年12月30日「鹿の踏切」

今年も各地で猿や猪が街中に出没し大きな問題となりましたが、鹿と列車の衝突事故が問題となっていたのが、大阪や京都・奈良、三重県などをエリアとする近畿日本鉄道でした。

鹿が線路に侵入しないよう様々な対策を講じましたが効果はなく、事故は年々増加する一方。
そこで鹿の実態調査を開始した近鉄社員の匹田さんは、事故が多発する区間では線路が鹿の生息地を分断していることや鉄分の補給で線路をなめる習性も確認。
さらに監視カメラに、母鹿と3頭の子鹿が線路を渡っていたところ、最後尾の子鹿がはねられ、それから長い時間、母鹿がその場を離れず倒れた子鹿をみつめ続けていた姿が映されていたのです。
事故撲滅への思いを強くした匹田さんに逆転の発想がひらめきます。
「鹿にも踏切があればいい」

考案されたのは、線路の両脇にネットを張り、数カ所にネットの無いところを作って、そこに動物が嫌う超音波を発する装置を設置し、終電の後は音波を止めて鹿を通すという仕組みでした。

この「シカ踏切」は絶大な効果をあげて事故は激減。
今年のグッドデザイン賞を受賞したのです。

野生動物の視点で考えることの大切さを教えてくれた鹿の踏切。
ともに生きるために、来年も逆転の発想が期待されます。