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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年11月11日「西郷くんと吉井くん」

明治14年11月11日、日本初の鉄道会社「日本鉄道」が設立されました。
現在の東北本線や高崎線などJR東日本の路線の多くは日本鉄道が建設、運営していました。

日本鉄道の初代社長に就任したのは、吉井友実。
知る人ぞ知る幕末の志士で、西郷隆盛、大久保利通、そして坂本龍馬らと行動をともにして活躍し、維新後は官界で重用された人物です。

とりわけ吉井の幼なじみで親友だったのが西郷隆盛。
明治維新の際、功績があった吉井も西郷も朝廷から位を授かりますが、その式典に西郷が出席できなかったので、代わりに吉井が西郷の名を届け出ました。
ところがそのとき、吉井は勘違いして西郷の父親の名を届け出ました。
その名が「隆盛」。
じつは西郷の本名は「隆永」だったのです。

後日、吉井は西郷に平謝りしましたが、西郷は「よかよか」と気にせず、以後そのまま名前を「西郷隆盛」で通したのです。
西郷が鹿児島に下野して政府に反旗を翻した際に二人は袂を分かちましたが、その後に西郷の名誉回復に一番熱心だったのは吉井でした。

東京の上野駅といえば西郷さんの銅像ですが、明治時代、上野駅は日本鉄道の始発ターミナル。
社長の吉井が亡き西郷隆盛を偲んでこの地に建てたのです。