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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年11月18日「緑のおばさん」

昭和34年11月19日、緑のおばさん制度が始まりました。
東京都が母子家庭の救済事業として、小学生の登下校時の交通整理にあたる女性を採用。その後各地に広がったのです。

いま52歳のサトルさんには或る思い出があります。
小学生だった頃、彼は緑のおばさんが苦手でした。
それは子どもたちを安全に誘導するだけではなく、あれこれ指導するからです。
「よそ見しないで!」「走らない!」「縦一列に!」と小言のオンパレード。
挙げ句には服装の乱れや言葉づかいにも注意するのです。
閉口したサトルくんたちは、緑のおばさんを避けて遠回りすることにしたのですが、そのことが学校に知られ、先生にこっぴどく叱られてしまいます。
翌日からまた緑のおばさんの誘導に従うことになりますが、
「きっと緑のおばさんが学校に言いつけたんだ」
そう思った彼らはおばさんを無視するように顔を背けて道路を渡っていました。

そんな登下校が6年間続いた最後の日、道路を渡るサトルくんの背後から声がしました。
「6年間頑張ったね。卒業おめでとう!」
振り向くと緑のおばさんがにっこり笑っています。
答える言葉が出ないまま道路を渡ったサトルくんは、おばさんに向かって深いお辞儀をしたそうです。

現在、緑のおばさんは全国からほぼ姿を消し、その役割は地域住民のボランティアに引き継がれています。