TOPページへアーカイブへ
提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
←(2017年9月30日「大三島のサツマイモ」)
(2017年10月14日「片足無料」)→

2017年10月7日「空の安全とパイロットの食事」

電車や自動車などは走っているときに何かトラブルが発生すると、とりあえず緊急停車しますが、飛行機はそうはいきません。
飛行中の停車=墜落です。
そこで旅客機では同じ機能をもつ操縦系統や機器を複数搭載し、もし操縦系統にトラブルが発生すると瞬時に別の系統や機器に切り替わるシステムになっています。
コンピュータはじめ油圧系統も電気系統も2重3重のバックアップ。
それがダメな場合でも完全手動で操縦する系統も備えられ、安全に飛行できるのです。

このように故障や障害が発生した場合でも代替用のシステムや機器を幾重にも用意して瞬時に切り替えて機能を維持していくことを「冗長化」といいますが、大勢の乗客の命を運ぶ旅客機の冗長化はじつはシステムや機器だけではありません。

国際線などで長時間航行する旅客機に乗り組む機長と副操縦士は交代で食事を取りますが、その機内食は必ず別々のメニューを選ぶ決まりになっています。
たとえば機長が和食を選んだら、副操縦士はどんなに和食好きでも泣く泣く洋食を選ばなければなりません。
それは食中毒への配慮で、同じ食事をして二人ともダウンして操縦できなくなる危険性をなくすためです。

空の安全・安心をどこまでも追求する旅客機は、パイロットの食事にまで気を遣っているのです。