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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年8月26日「平和の華」

八月最後の週末、ゆく夏を惜しむように各地で花火大会が開かれています。
花火が華やかに打ち上げられるようになったのは江戸時代のことですが、花火といえば火薬。
戦乱の時代は鉄砲や狼煙などに用いる戦いの道具でした。

関ヶ原の戦いから60年ほど後に江戸日本橋に花火屋を開き、幕府ご用達の花火師となった初代鍵屋弥兵衛も火薬製造の技術から花火を考案したといわれ、花火師と打ち上げ花火の誕生は泰平の世が訪れたことを象徴するものでした。

八代将軍徳川吉宗の時代には、享保の大飢饉の中、江戸でコレラによって多くの死者が発生したことから、亡き人々の供養と悪疫退散を願って隅田川で花火が打ち上げられ、花火は人々を慰め力づけるものへと発展していったのです。

時代は変わり、終戦後の昭和23年。
隅田川で開かれていた花火大会は戦時中から中断され、戦後はGHQによる火薬の規制によって中断されたままでしたが、花火製造業者を中心とする人々の粘り強い働きかけによって11年ぶりに復活。
打ち上げられた花火は僅か600発でしたが、観客は70万人に上ったと言われ、人々の心に平和の華を咲かせたのです。

花火師達が育んできた花火は、様々なことがあったこの夏も、多くの人々の心を癒やし励ましています。