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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年5月13日「天文学的ユーモア」

太陽系の火星にはダイモス、フォボスという2つの衛星があります。
1877年、発見したのは米国の天文学者、アサフ・ホール。
星の軌道計算の専門家として活躍し、火星の衛星を発見したことで「天文学のノーベル賞」と呼ばれる王立天文学会のゴールドメダルを授与されています。

ホールがまだ天文台の助手をしていた若い頃、レストランでランチを食べていました。
食事を終えたホールは店の女将を呼び、こう切り出します。
「とても美味しい料理をありがとう。そのお礼に天文学の面白い話をちょっとお聞かせしましょう」
そこでホールが語った話とは、世の中の物事はすべて2500万年を一周期として起こる。つまり2500万年毎に元の状態に還ってくる。だから今から2500万年経つと、今と同じようにこの店で同じ食事をするはずだ・・・。
そこまで語ったホールは一息ついてこう続けました。
「そのことを証明するために、この食事の勘定を2500万年後までツケにしておいてくれませんか」

この提案に目を輝かせた女将が「それはすばらしいアイデア。いいですとも」と答えます。
が、一息入れてこう言ったのです。
「そういえばちょうど今から2500万年前にもホールさんは同じことをおっしゃってましたね。そのときのツケをいま頂きます」

天文学者らしい壮大なユーモアでしたが、女将のほうが一枚上手でした。