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提供:創価学会
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2017年5月6日「スカラ座伝説」

イタリアのミラノに建つスカラ座は、宮廷劇場以来の伝統を持つイタリアオペラ界の最高峰とされる劇場です。
音楽家にとってスカラ座に出演することは、超一流の音楽家だと認定されることで、出演料をもらわなくても出たいと思うほどの憧れの舞台です。

そのスカラ座で当時、世界的なマエストロと呼ばれていたトスカニーニが首席指揮者を務めていた頃のこと。
マスカーニという新進気鋭の作曲家にスカラ座から自作のオペラを客演して指揮してほしいという依頼がありました。
「喜んでやります」とマスカーニは答えます。
しかし続けて「ただし、出演料はトスカニーニより1リラだけ高い額を頂きたい」と申し出ました。
彼はトスカニーニに対して強いライバル心を抱いていたのです。

マスカーニの指揮はスカラ座で大成功を収めますが、スカラ座から受け取った小切手の数字はたったの1リラ。
腹を立てたマスカーニがスカラ座の支配人を訪ねて「私の出演料が1リラとはどういうことだ!」と詰め寄ると、支配人はこう答えたそうです。
「あなたの申し出どおり、トスカニーニさんより1リラ高い額にしました。
なにしろトスカニーニさんがスカラ座で指揮をしてくださるときは、けっして報酬を受け取りになりませんから」

スカラ座に語り継がれる伝説のエピソードです。