2017年2月19日「かぶきもの」
明日、2月20日は「歌舞伎の日」。慶長12年のこの日、歌舞伎の創始者といわれる出雲の阿国が江戸城で将軍・徳川家康や諸国の大名の前で初めて歌舞伎踊りを披露しました。
当時、奇抜な格好をしたり、常軌を逸した行動をする人のことを「かぶき者」と呼んでいました。
出雲の阿国という若い女が男の格好をして官能的で怪しげな舞を踊る姿は、まさにかぶき者と呼ぶにふさわしく、そこから「歌舞伎」という伝統芸能が始まったのです。
歌舞伎の創始者とされている出雲の阿国ですが、じつは恋人がいて、その男が歌舞伎踊りを編み出して阿国に教えたという伝説があります。
男の名は名古屋山三郎(さんさぶろう)。織田信長の血筋につながる武将です。
槍の使い手として名を馳せた山三郎ですが、それ以上に類い稀な美男子として知られ、山三郎の主君が初めて彼を見たときは、あまりの美貌に少女だと勘違いして、嫁に迎えようと身元を調べたといいます。
また、きらびやかな服を着て芸事を好む伊達男で、後に錦絵にもなって江戸の娘たちのアイドルにもなったようです。
これらの逸話から、名古屋山三郎もまた出雲の阿国と並んで歌舞伎の始祖とされ、とりわけ女形の原点とされています。
果たして阿国と山三郎が恋人同士だったかどうかは分かりませんが、2人の墓は京都の同じ寺院の中にあります。
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