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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年1月8日「丸い土俵に四角の将棋」

お正月の松が取れたきょう1月8日、東京の両国国技館では大相撲初場所が始まりました。
両国国技館が落成したのは昭和60年1月9日、それ以前の大相撲は蔵前国技館で行われていました。

蔵前国技館は戦後間もない昭和24年に建設。
当時は資材がろくになく有り合わせで建設したので、館内にはすきま風が吹き、1月の初場所では観客が寒さに震えながら観戦するような状態でした。
それを追及された当時の理事長は「そこは土俵の熱戦で暖まっていただきたい」と苦しい答弁をするほどでしたが、後に大改修工事をして立派な建物となります。

栃錦・若乃花の栃若時代、大鵬・柏戸の柏鵬時代など、戦後の昭和史に残る名勝負を刻んできた蔵前国技館の土俵ですが、この土俵で一度だけ相撲ではない取り組みが行われたことがあります。
それは将棋。
昭和50年11月17日、中原誠十段と大山康晴名人が土俵上で対局したのです。

将棋盤を挟んで東西に力士ならぬ中原、大山の両棋士が正座して相対。
傍らには記録係と立会人が並び、桟敷席や枡席には8000人の観客が土俵を囲みました。
丸い土俵に四角の将棋盤を置き、相撲と同じく「待ったなし!」で始まった勝負は、40分かけて各々3手が進んだところで大山が封じ手を書いて「水入り」。
その瞬間、観衆から万雷の拍手が巻き起こったそうです。