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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年1月1日「夢の浮き島」

2017年元旦、きょうの初日の出を世界で最初に迎えた国はキリバス。
赤道直下の太平洋に浮かぶ33の島々から成り立つ国です。

太平洋の日付変更線のすぐ西に位置することで「世界で最初に一日が始まる国」なのですが、じつは国家の存亡に関わる問題を抱えています。
キリバスの国土のほとんどは海抜わずか2メートル。
地球温暖化の影響で海面が上昇していて、このまままでは2055年までに国土の8割が海に沈んでしまう恐れがあるのです。

キリバス政府が下した決断は海外移住。
2000キロ離れたフィジーが移住受け入れを表明していますが、キリバスの島々が海に沈んでしまえば、キリバスという国家は消えてしまいます。

そこで、さらに思い切った解決法が検討されています。
それは海に浮かぶ巨大な人工島を建設するアイデア。
取り組んでいるのは日本の大手建設会社です。
この島では再生可能エネルギーで電気を供給し、食料を自給自足できるシステムが備わります。
ただ、これを実現するにはまだ開発されてない技術も必要で、向こう何年かの技術革新を待って、2030年以降に建設が可能になると見られています。
これはちょうどキリバスの国民が移住を迫られる時期。時間との戦いです。

この計画が実現すると、キリバスは世界で最初に一日が始まる国に加えて、世界で唯一海に浮かぶ国となるのです。