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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年11月13日「コメットハンター」

昭和22年のきょう11月13日午後8時に、本田彗星が発見されたという記録があります。
発見したのは本田実さん。
彗星の発見を目的に天体観測に取り組む人をコメットハンターと呼びますが、本田さんは日本人のコメットハンターの草分けです。

10歳の少年期に星空の美しさに魅せられた本田さんは、貯めた小遣いでレンズを買って望遠鏡を自作。
以来、78歳で亡くなるまで一貫して夜空を見上げては彗星を探し続け、その生涯に12個の彗星と11個の新星を発見しました。

28歳のときに熱烈な恋愛の末に結婚しますが、結婚式のわずか2日後に赤紙が来ます。 徴兵され、妻と別れて戦地に赴きました。

部隊はシンガポールに駐屯しましたが、軍事機密ということで居場所を家族に知らせることはできません。
日本で心配する妻になんとか自分のことを知らせることはできないか・・・
そう思った本田さんは一計を案じます。
撤退したイギリス軍が捨てていった望遠鏡を拾い、それで天体観測をして彗星を発見したのです。
この記録がシンガポールから日本の東京天文台に運ばれると、新聞は「空に科学する兵士」と書き立て、本田さんの妻は夫が南方に元気でいることを知ったのでした。

本田さん晩年の言葉をひとつ紹介します。
「星、それは空にあるもの。心にあるもの。そして自ら輝くもの」。