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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年10月9日「1964年のおもてなし」

明日10月10日は「体育の日」。
現在は10月第2月曜日を体育の日としていますが、もともとは1964年10月10日に東京オリンピックが開催されたことを記念したものです。

この日、秋晴れの国立競技場で行われた開会式には93の国と地域から次々と選手団が入場してきました。
このときスタンドの大半を占めていた日本人の観客は、日本選手団の入場でとりわけ大きな拍手や声援を送ることはしませんでした。
日の丸の小旗を振ることもしませんでした。
米国などの大国だろうが、アフリカの小国だろうが、どの国の選手団が入場しても平等に同じ拍手を送ったのです。
現在、国際スポーツ大会の入場行進では、自国の選手に対してはこれでもかというくらい観客の拍手や声援が大きくなりますが、1964年の東京オリンピックはそうではなかったのです。

アジア初の大会となった東京オリンピック。
遠い極東の日本にはるばる世界中から選手たちが来てくれたのに、日本選手だけを贔屓にすることはできない。ましてや応援団がほとんどいなくて心細い思いをしている小国の選手に申し訳ない・・・そう思ったのかもしれません。

来る2020年東京オリンピックの誘致のキーワードは「おもてなし」。
1964年の東京オリンピックでも日本人観客一人一人の胸に、熱いおもてなしの心があったのです。