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提供:創価学会
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2016年10月23日「文字を運ぶ電線」

きょう10月23日は電信電話記念日。
明治2年のこの日、東京・横浜間を結ぶ電信線の工事が始まりました。
電信線とは電線に信号を送って通信する手段。
その始まりは電話ではなく、モールス信号による電報でしたが、当時の庶民には電報の仕組みが理解されていませんでした。

電報が始まった3年後の明治5年。
新橋・横浜間に鉄道が開通し、初めて汽車を見た人々はその速さに驚きました。
ある日、親子連れが新橋で汽車に乗るときに子どもだけ乗り損ねてしまいます。
慌てた両親が次の品川駅で降りて駅員に相談すると、すぐに新橋駅に電報を打って、新橋駅の駅員が子どもを保護して次の汽車で品川駅まで連れてきたのです。
この出来事を当時の新聞が大々的に報道。その見出しはこうです。
「鉄道より速い電報!」

この記事を見た人々は、電報は汽車よりもっと速いスピードで文字を運んでいるのか、とびっくりしたのです。
そこで、電線を通って文字が送られている様子を見ようと皆で電線を眺めたり、「文字を届けてくれるなら他のものも届けてくれるかも」と電線に弁当をくくりつけたりしたそうです。

それから百余年。
電信は電報から電話へ、そしてインターネットへと進化しましたが、電信の曙である電報は、いまも祝電・弔電という形で親しまれています。