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提供:創価学会
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2016年9月11日「旧石器時代の財宝」

旧石器時代の壁画で有名なラスコーの洞窟は、1940年9月12日にフランスで発見されました。
発見したのは考古学者ではなく、地元の村に住む4人の少年です。
この村には、昔この辺りを治めていた王様が城からトンネルを掘って財宝を隠したという言い伝えがありました。
少年たちはその伝説のトンネルを探そうと森の中を探検していたのです。

見つけたのは倒れた木の根っこから口を開けた穴。
中は真っ暗ですが、奥へ奥へと続いているようです。
「これは財宝のトンネルの入り口だ!」
興奮した少年たちはランプとロープを使って穴の底に入り、横穴を進んでいきました。
そこで目にしたのが、伝説の財宝ならぬ、遥かなる先祖が描いた芸術、ラスコーの壁画だったのです。

発見から8年後にラスコーの洞窟は一般公開され、発見した少年のジャックとマルセルの二人が公式の管理人兼ガイドに任命されています。

来年7月、九州国立博物館でラスコー洞窟の壁画を紹介する特別展が開かれます。それに寄せて、今年89歳になった発見少年の一人・シモンさんがこう語っています。
「当時13歳だった私は、躍動感あふれる動物たちの壁画を発見した興奮を今も忘れられません。人類が残した偉大な痕跡を、遠く離れた日本でも多くの人に見てもらえることを、発見者として誇りに思います」。