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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年7月24日「アルプス交響曲」

夏山登山のシーズンです。
クラシック音楽に登山者の目を通してアルプスの大自然を描いた曲があります。
リヒャルト・シュトラウス作曲の『アルプス交響曲』。
日の出・登山口・花咲く草原・山の牧場・頂上にて、と、一日の登山の流れを追うように情景音楽が続く60分余りの大作です。

この中に、下山途中に嵐となって雷が鳴るという場面があります。
クラシック音楽の世界では、ビバルディが『四季』の中で弦楽器を使って、ベートーベンが交響曲6番『田園』の中でティンパニーを打ち鳴らして雷を表現しています。

ところがリヒャルト・シュトラウスは通常の楽器では飽き足らず、サンダーマシンという楽器を考案。
縦3m・横1mほどの巨大な鉄板をバーに吊り下げたもので、その鉄板を打楽器奏者が両手で揺さぶったり叩いたりして、「ドドドド!」「グワーン!」といった迫力ある音を出します。
オーケストラが『アルプス交響曲』を演奏する場合は、この特殊な楽器・サンダーマシンを特注することが決まり事になっていました。

あるコンサートホールで『アルプス交響曲』を演奏中、サンダーマシンを操る演奏者の勢いが余って、吊り下げた鉄板がバーから外れて床に落下。
「ガッシャーン!」と大音響を上げたそうです。
その瞬間、ホールの聴衆全員がきっとこう思ったでしょう・・・「雷が落ちた!!」