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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年7月10日「幻のナイター大相撲」

昭和8年のきょう7月10日、神奈川県の戸塚球場に照明設備が設置され、日本で初めて夜間の試合が開催されました。
これを機に全国の野球場や陸上競技場に照明設備が出来、夜間に行うスポーツをナイター、またはナイトゲームと呼ぶようになりました。

じつは大相撲でもナイターで本場所を行ったことがあります。
昭和30年の九月場所。通常より2時間ほど遅く始まり、結びの一番の打ち出しが夜8時という設定です。
これは、平日は勤めで観戦できないビジネスマンたちのために、会社帰りにゆっくり観戦してもらおうという配慮から始めた実験でした。

すると、会社勤めの大勢の相撲ファンが連日国技館に押し寄せたのです。
手応え十分。相撲のナイターはいける!...と思いきや、肝心の力士たちがいけません。
江戸時代から続く伝統が身に沁みこんでいる力士にとって、相撲を取る時間が変わることは簡単なことではなく、場所中に体調を崩す力士が続出。
途中休場する者も出ました。
おまけに11日目の土俵では、横綱・千代の山と関脇・若ノ花が17分15秒という大相撲史上最長の取り組みを演じ、打ち出しが夜8時半になってしまったのです。

当時の新聞事情ではこの時刻の出来事を翌日の朝刊で伝えることは不可能。
結局、1場所限りでナイター大相撲は終わったのでした。