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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年7月3日「ドジソン先生の童話」

1865年7月4日、イギリスで『不思議の国のアリス』が出版されました。
少女アリスが不思議の国に迷い込んで奇想天外なキャラクターたちと出会う物語は、児童文学の新しい地平を切り開いた作品として評判を呼びます。

作者はルイス・キャロル。
近所に住む幼い娘アリスにせがまれ、ちょっとした話を考えついては語り聞かせていったのが『不思議の国のアリス』のルーツです。

そんなルイス・キャロルは、プロの作家ではありません。
本名はチャールズ・ドジソン。
じつはオックスフォード大学で数学の講師を務める数学者・論理学者です。
彼の講義は明快で分かりやすく、おまけに数字のクイズやパズルを交えるなど、真面目な授業を楽しく味付けすることで人気を集めていました。

そんなドジソンはルイス・キャロル名義で『不思議の国のアリス』の他に3つの童話を出版しますが、それ以上に幾何学や代数学、論理学などの論文や専門書を数多く出版しています。

ある日、『不思議の国のアリス』の熱心な読者の一人だったヴィクトリア女王がこの本をとても気に入り、こう言います。
「キャロル氏の次の本を送っておくれ」。

次の本がすぐにバッキンガム宮殿に届けられたのですが、その本のタイトルは『行列式の初等理論』。
ヴィクトリア女王は喜ばなかったそうです。