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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年6月12日「死んでもライバル」

19世紀英国ロマン主義の巨匠 ウィリアム・ターナー。
作品の大半が風景を描いたもので、風景画という新しいジャンルをつくった一人です。

同じ時代に活躍したもうひとりの風景画の大家にジョン・コンスタブルがいます。ターナーはこのコンスタブルに対してライバル視、というより敵愾心を抱いていました。
ターナーは生涯独身であちこち外国旅行をしましたが、コンスタブルは妻と7人の子どもに囲まれた田舎暮らし。
そんなコンスタブルにターナーは「結婚している画家なんて嫌いだ。うまく絵が描けない理由を家庭のせいにするからね」などと発言しています。

有名なエピソードは展覧会。
当時は一般公開の前日に画家が出品作品を手直しする風習がありました。
2人の作品が隣り合わせで展示され、コンスタブルが橙色の絵の具で自分の作品を手直し。
その姿をじっと眺めたターナーは、隣の自分の作品にコンスタブルよりもっと鮮やかな赤絵の具で一筆描き足し、「ふん」とでも言うように出て行ったのです。ターナーはこのような子どもっぽさで、ことあるごとにコンスタブルを挑発したそうです。

コンスタブルは61歳で亡くなり、ロンドンに功績を讃える記念碑が設置されます。死ぬことでやっとターナーの挑発から解放されたわけですが、気の毒なことに、その14年後、彼の隣にやってきたのはターナーの記念碑でした。