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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年3月27日「母の手紙」

東日本大震災から半年が過ぎた2011年9月。
宮城県の小学校3年生小野望美(のぞみ)さんのもとに届いた手紙に、父親をはじめ家族は驚きます。
津波にのまれて亡くなった母親の由美子さんからの手紙だったのです。

実は、望美さんが小学校入学のとき、購入したランドセルのメーカーの「タイムレター」というサービスに由美子さんが家族に内緒で応募していたのです。
それは、新1年生の子供に宛てて書かれた手紙を両親などから預かり、千日後に届けるというもので、由美子さんは、望美さんだけでなく、望美さんの兄と姉にも手紙を書いて同封していました。

望美さんへは「元気に学校に行っているだけで、お母さんはとても安心」。
反抗期の姉、好美(このみ)さんには「口ごたえをしながらもいっぱい手伝ってくれて、お母さんはとても、とても、とても感謝」。
兄の勝利(かつとし)さんへは「妹達に優しいお兄ちゃんになっているように」と、それぞれに母の思いが愛情あふれる言葉で綴られていました。

「この手紙は宝物。強くて優しい母を誇りに思う。一番の形見は私達だと思うと嬉しい」と語る子供達。
真新しいランドセル姿が初々しい季節を迎える今、感謝や愛情を伝えることの大切さを、ひとりの亡き母の手紙が、今改めて私達に語りかけます。