2016年1月17日「2メートル9センチの記念碑」
平成7年1月17日に起こった阪神・淡路大震災。
奪われた命と生き残った人たちの思いを結ぶために、自治体や個人、企業、団体の手で自然発生的に多くの慰霊碑・追悼碑が建立され、その数は現在、300箇所近くまで増えています。
明石市の明石公園の一角にある石碑もそのひとつ。
建立に力を尽くしたのは、いまは亡きジャイアント馬場―馬場正平さんです。
明石公園は昭和30年代、プロ野球のキャンプ地で、当時巨人軍に入団していた馬場さんがここへキャンプに来て、後に妻となる女性と知り合った思い出の地。
その明石が震災で大きな被害を受けたのです。
震災直後、馬場さんがまず行なったのは、ファンクラブの名簿を一軒ずつチェックして被災したファンを見舞うこと。
自ら一人一人のファンが身を寄せる避難所を訪ね、救援物資を手渡していったそうです。
さらに震源地の淡路島では被災者を励まそうと無料でプロレスを興行。
その一環で、心のふるさとである明石市民の力にもなりたいという思いから義援金を贈呈したのです。
そのお金で建てられた震災モニュメントの石碑ですが、そこにジャイアント馬場の名前は刻まれていません。
何事も目立ったことを好まず控え目な性格の彼が個人名を嫌ったのです。
その代わり、建てられた石碑の高さは2m9cm。ジャイアント馬場の身長です。
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