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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/8「無賃乗車の猫」

イギリスの港町プリマスに「通勤猫」と呼ばれる有名な飼い猫がいました。
フィンデンという人が動物保護センターから引き取った年老いた猫です。
暫くは家でおとなしくしていましたが、そのうち毎日昼間の決まった時間に遊びに出るようになりました。

飼い主のフィンデンさんは、どこか近所を散歩しているのだろうと思っていましたが、じつは猫は自宅そばのバス停から毎日10時55分発の3番バスに勝手に乗り込み、18キロほどの路線を1時間かけて往復して帰ってくるのを日課にしていたのです。

バスの運転手の話では、猫は他の乗客に交じって並んでバスに乗り込み、運転席のすぐ後ろのシートがお気に入りで、丸くなってよく寝ているとのこと。
ときには他の乗客の足元に戯れついたりしますが、それでトラブルになったことはないそうです。
また、帰りのバス亭に着いたときに眠り込んでいれば、運転手が起こして下ろしてやるというのです。

その事実を初めて知った飼い主のフィンデンさんは、運転手や乗客たちの親切にすっかり恐縮。バス会社に感謝の手紙を書き、これまで猫が乗った回数分の運賃を支払うことを申し出ました。
するとバス会社からはこんな返事が来たそうです。

「私どもの運行するバスでは70歳以上の高齢者のご利用は無料です。あなたの猫もお年寄りですから、フリーですよ」。