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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/15「画期的な睡眠薬」

1902年にノーベル賞を受賞したドイツの化学者エミール・フィッシャー。
彼は糖や蛋白質など有機合成化学の偉大な先駆者ですが、ひとつのコンプレックスがありました。
それはいわゆる「話下手」。
人とうまく会話するのがどうも苦手で、大勢の前で講演会をしなければならない時は、話そのものをすべて原稿に書き、それを丸暗記して講演するほどでした。

そんなフィッシャーの趣味は森の散策。ある日の散歩道で彼はヘルマン・ズーデルマンに出会います。
ズーデルマンは数々の名作を書いたドイツの有名な作家。
そのズーデルマンがフィッシャーの姿を認め、駆け寄ってきました。
「フィッシャー先生ありがとう。あなたの発明された睡眠薬のおかげで、安らかに眠れるようになりました。いつでも服用できるようベッド脇に常備しています」

フィッシャーは当時、画期的な睡眠薬:バルビタールを発明していたのですが、そのことを面と向かって礼を言われ戸惑った彼は、慌ててこう返礼します。
「いやいやズーデルマンさん。あなたこそ素晴らしい。私も夜眠れない時は、あなたの小説を読むことにしているのです。よく効きますよ。私もベッド脇にいつもあなたの本を常備しています」

ズーデルマンはフィッシャーに駆け寄ったときと同じ早さで走り去ったそうです。