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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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12/14「空のアイドル」

大正5年12月15日、東京の青山練兵場・・・いまの神宮外苑に大勢の人々が集まっていました。
この日、ここで皆が目にしたのは、日本の空を初めて飛んだ女性の姿です。
その人の名はキャサリン・スティンソン。
米国からやって来た25歳のうら若きパイロットです。

キャサリンはこのときから半年ほど日本に滞在し、全国各地を訪ねては得意のアクロバット飛行を披露。どこに行っても熱狂的な歓迎を受けました。
新聞はそんな彼女の行動を連日写真付きで報道。
また、彼女の姿を描いた絵葉書が何十種類と売り出され、滞在先のホテルには全国の若い女性からたくさんのファンレターが届けられました。

日本の若い女性たちにとってキャサリンはアイドル。
ネイティブ・アメリカンの血を引き、小柄で日本人に近い顔立ちが親しまれたようですが、やはりなんといっても、女性が自分で操縦して自由に空を飛ぶという、当時の日本では想像すらできないことをやってみせたことが、若い日本女性たちには魅力的だったのです。
キャサリン自身も歓迎会や講演会で「勇気を持って熱心に取り組めば、女でも男のすることはできるのです」と話し、日本の若い女性たちを激励しています。

日本人女性パイロット兵頭精が初めて日本の空を自由に飛んだのは、キャサリンの来日から6年後の大正11年のことです。