11/9「上下水道の父」
明日11月10日は「エレベーターの日」。明治23年のこの日、日本で初めてエレベーターが登場したことに由来する記念日です。
日本初のエレベーターが設置されたのは東京・浅草の「凌雲閣」。
煉瓦造り12階建ての塔で、高さ52m。
後に関東大震災で破損して解体されるまで、日本一の高さを誇っていました。
この凌雲閣を設計したのはウィリアム・バルトンというスコットランド人。
いわゆる明治のお雇い外国人ですが、彼は凌雲閣を設計するために日本に来たわけではありません。
バルトンの専門は衛生工学。
明治の開国で西洋の悪いものも入ってきました。それがコレラ。
明治初期には年間10万人以上の人が感染して亡くなっています。
そこで公衆衛生上から上下水道の普及が急務とされ、その第一人者であるバルトンが招かれたのでした。
彼は東京を初め全国24の都市を回り、水源の調査から測量、上下水道の設計に邁進。その誠実でひたむきな姿は、日本人技術者たちへの見事なお手本になりました。
また仕事以外では日本人の友人たちと趣味のカメラの同好会を作ったり、凌雲閣の設計をしたりと、その多才ぶりを発揮したのです。
病のため日本滞在中に43歳で亡くなったバルトン。
母国スコットランドで彼の功績を知る人はいませんが、日本では近代上下水道の父として、いまも水道関係者から尊ばれています。
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