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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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3/9「世界初の海底道路」

昭和33年のきょう3月9日、関門海峡に世界初の海底道路、関門国道トンネルが開通しました。
トンネルの建設工事着工は昭和12年。
しかし、同じ規模の関門鉄道トンネルが6年間で開通したのに、国道トンネルが開通したのは21年後の昭和33年です。

長丁場となった最も大きな理由は、戦争の影響。
資金も資材も労働力も極度の制限を受け、さらに米軍の空襲で工事施設が破壊されました。
そして終戦。物不足のため、トンネルの現状維持が精一杯です。
そこに最大の危機、GHQのマッカーサー長官から「関門国道トンネルは不経済だから工事を中止して水没させる」という方針が出されたのです。
そうなったらこれまで掘り進めてきた人たちの苦労が、それこそ水の泡。

建設労働者たちが立ち上がりました。
仕事の傍らトラックで町々に繰り出して、工事続行への援助を声のあらん限りに呼びかけ、夕方からは映画館に行き、休憩時間を借りて馴れないマイクの前で工事の応援をお願いしたのです。
トンネルを守ろうという彼らの意気込みは地域住民の共感を呼び、27万人の署名を集めました。
これを受けて中止は撤回され、工事が再開されたのです。

21年間にわたる執念を燃やして開通した関門国道トンネルは、いまも本州と九州を繋ぐ大動脈となっています。