3/2「秋の雛祭り」
明日は桃の節句。
全国で雛祭りが催されますが、例外もあります。
香川県三豊市の瀬戸内海に面した仁尾町。
古くから港町として栄え、格式ある商家や蔵の町並みがいまも残って往時を偲ばせていますが、この町ではもう何百年も昔から3月3日に雛祭りを行いません。
戦国時代、この地を治めていたのは細川頼弘という領主。
戦国の世とはいえ、仁尾町は戦を好まない細川公に平穏に治められていたらしく、領民たちも細川公をよく慕っていたそうです。
ところが天正7年2月、四国全土の征服を目論む土佐の長宗我部元親が攻め込んできます。
城下の町は踏み荒らされ、城は炎上。
細川公以下一族郎党ことごとく討ち死にして果てました。
それが3月3日のこと。
以来、仁尾の人たちは3月3日を細川公の死を悼む慰霊の日とし、雛祭りをしなくなりました。
仁尾町の人たちは400年以上も昔の歴史を、自分たちの身近に起こった悲劇として、いまも親から子、子から孫へと伝えているのです。
ちなみに、仁尾町では男の子の節句と女の子の節句を「八朔人形まつり」として9月上旬に開催。
別名「秋の雛祭り」とも呼ばれ、大勢の観光客で賑わっています。
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