4/7「スポーツの人、平和の人」
これまで世界中の数えきれないほどのアスリートがオリンピックのメダリストになりましたが、その中でただ一人、ノーベル賞の受賞者がいます。 イギリスの陸上選手フィリップ・ノエル・ベーカー。
彼は学生だった1912年に、ストックホルムオリンピックのイギリス代表選手として男子1500mに出場して6位に入賞し、4年後のアントワープ・オリンピックでは銀メダルに輝きました。
その一方で、大学で国際政治学を学んだベーカーは卒業後に国会議員となり、一貫して国際平和の実現に取り組みます。
国際連盟の創設に力を尽くし、世界各国に軍縮を訴え、その後は反核、平和運動を推進。
その功績が認められ、1959年にノーベル平和賞を受賞しました。
オリンピックのメダリストで、かつノーベル賞を受賞したフィリップ・ノエル・ベーカー。
彼の中ではオリンピックと平和運動がひとつに結ばれていました。
「オリンピックは20世紀最大の平和運動。
国際政治もオリンピックから学ぶべきである」これは彼が常々訴えてきた言葉です。
1963年には広島の原爆犠牲者の追悼式に出席したのをはじめ、何度も広島を訪れて、世界に向かって核兵器の根絶をアピールしてきました。
広島ではそんな彼の功績を讃えた記念碑を設置。
そのレリーフには彼のことをこのように紹介しています。
「スポーツの人、平和の人--フィリップ・ノエル・ベーカー」。
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