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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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3/31「ニューヨークのサクラパーク」

アメリカ、ワシントンのポトマック河畔の有名な桜並木は、明治45年に東京市からアメリカに贈られた桜が植樹されたものですが、この時、実はニューヨークにも桜が植樹されました。

当時ニューヨークでは、アドレナリンの発見などで世界的な名声を得た日本人化学者、高峰譲吉(たかみね・じょうきち)が活躍しており、ワシントンへの桜の寄贈でも、東京市に資金援助を行うなど大きな役割を果たしました。

その一方で、日米友好のために取り組んだのが、ニューヨークのハドソン川の記念日に桜を植樹しようという運動で、2,000本の桜を日本から取り寄せますが、途中で船が行方不明になるという不運に見舞われます。
しかし高峰は諦めることなく、ニューヨーク在住の日本人達と力を合わせ、ワシントンに桜が届けられる際に、同じ船でおよそ3,000本の桜をニューヨークに取り寄せたのです。

1912年4月28日、マンハッタンのクレアモントパークで歓迎植樹式が盛大に開かれますが、そこでアメリカのウッドフォード将軍がおこなった挨拶が心に残ります。
「ハドソン川の記念日に多くの国々は軍艦を、名将を派遣して祝意を表したが、日本は軍艦も将軍も派遣せず桜を贈ってきた。軍艦は戦争を、桜は平和を表すという。桜が外国に行って戦闘艦以上の働きをするとは珍しい話ではないか。」

日本人の思いが今も花咲く公園は「サクラパーク」と名を変え、ニューヨーカーに親しまれています。