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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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3/17「最善を尽くす」

「スペシャルオリンピックス」は、知的発達障害のある人たちのスポーツトレーニングと競技会。1968年にアメリカで始まり、現在は世界170の国と地域に400万人のアスリートがいて、世界大会や国内大会、競技会が開かれています。

アメリカでのある競技会の出来事。
陸上・短距離走で9人の選手が白線に並んでいます。
合図のピストルが鳴り、選手たちは一斉にスタート。
しかし、一人のランナーがつまずいて転んでしまいました。
彼の膝は激しく擦りむけ、その痛みと転倒したショックで、彼は自分の感情を抑えられず、へたり込んだまま大声を上げて泣き出しました。

すると、ほかの選手がその泣き声を聞きつけ、一人、また一人と立ち止まり、その選手の元へと戻り始めたのです。
彼のそばにやって来た女子選手がひざまずいて、こう言いました。
「転んでも負けじゃないわ」
そして頬にやさしくキス。
彼は立ち上がりました。
そしてほかの選手たちと手をつないで、いっしょにゴールに向かって歩きだしたのです。
彼らがゴールを踏んだとき、スタジアムの観客全体が立ち上がり、拍手を送りました。

スペシャルオリンピックスでは、成績の如何に関わらず、すべての選手が表彰されます。
ほかの人に勝つことではなく、アスリートが自分の最善を尽くすことを目的としているからです。