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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/6「16光年の初夢」

広い宇宙には、地球と同じように高度な文明を持った生物が暮らす星がきっとある・・・そんな夢を抱いて、地球から未知の宇宙人に向けてメッセージを送る試みが、日本人の天文学者の手で行われました。

当時の東京天文台・野辺山宇宙電波観測所の森本雅樹所長と平林久さん。二人は昭和58年、アメリカ・カリフォルニアにある直径46mのアンテナから、わし座のアルタイルという星に向けて、メッセージを乗せた強力な電波を30分間にわたって発射したのです。

森本さんと平林さんが作成したメッセージは、13点の画像。数字の定義から始まって、太陽系の仕組みと地球の位置、DNAの構造、原始生物から魚類、恐竜、類人猿までの生物の進化、そして人間の姿などで、いわば地球のプロフィールを紹介する内容です。
そして、締めくくりとなる13点目の画像は、エチルアルコールの分子式と、「乾杯」という文字。これは、地球人とアルタイル人との出会いを祝して乾杯しましょう、という呼びかけなのです。
ちなみに森本さんも平林さんもお酒が大好きで、メッセージを考えながら水割りを飲んでいた成り行きで、こんな呼びかけを思いついたそうです。

ところで、地球からアルタイルまでの距離は約16光年。電波がアルタイルに届くのは16年後です。
そして、もしアルタイルに知的な生命が住んでいて、すぐに返信をくれたとすると、平成27年ごろに返事のメッセージが地球に届きます。
もしかすると「いっしょに乾杯を!」という返事がくるかもしれません。