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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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12/30「豪雪の中の善意の記憶」

平成22年の大晦日から、翌、元日にかけて、鳥取県では記録的な豪雪となりました。
そんな中、国道9号で起きた事故を発端に大渋滞が発生して1,000台もの車が雪の中で立ち往生。
JR山陰本線では雪による倒木で列車が立ち往生する事態となったのです。

鳥取県知事は自衛隊に出動を要請し救援活動を開始しますが、実は、その何時間も前から、国道沿いや駅近くに住む町の人々が、思い思いに救援を始めていたのです。
一台一台、車の窓をノックして安否確認をする人、温かい飲み物を届ける人、赤ちゃんのために駆け回って粉ミルクを調達しミルクを作ってあげる人。
「トイレあります」の看板を次々に掲げるお店や住宅。
公民館を開放して観光バスの乗客を受け入れたり、妻が妊娠中と知って、ご夫婦を一晩泊めた家もありました。
食堂やパン屋さんでは、お店でたくさんのお米を炊いて、地域の人々とおにぎりをつくってドライバーに配り、駅近くのマーケットでは元日の休業日に、列車の乗客130名分のおにぎりを炊き出し、お店のお米が足りなくなると、従業員が自宅から持ってきておにぎりを作ったのだそうです。

見ず知らずの人のために、年越しの団らんのひと時をなげうって懸命に尽くした人々。
後日、全国からたくさんの感謝の手紙が寄せられました。
記録的な豪雪は、災害に負けず心を結んだ温かな善意とその大切さを、
人々の胸に深く残したのです。