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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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12/23「サンタはいるの?」

1897年。アメリカの新聞社に一通の投書が届きました。
その内容は次のようなもの。「本当のことを教えてください。サンタクロースはいるんですか?」

投書を出したのは、ニューヨークに住むバージニアという8歳の女の子。サンタの存在を信じる彼女は、ある日学校で友だちにサンタの存在を否定され、ショックを受けていたのです。
新聞社の編集長は、この質問に対して社説で答えることにしました。
選ばれたのは、ベテランの論説委員フランシス・チャーチ。
彼は一日悩み抜いた末に、バージニアの質問に答える形で次のような主旨の社説を発表しました。

「思いやりや人を好きになる心のように、目には見えなくても存在するものはいっぱいある。サンタクロースも見えないけど、存在するのです」

発表されたこの記事は一大反響を巻き起こし、以後、新聞社では読者の求めに応じて毎年クリスマスの時期にこの社説を再掲載。この新聞社は1950年代に消えてしまいましたが、いまでも全米ジャーナリズム史上最も有名な社説として語り継がれています。

そして投書を出したかつての8歳の女の子バージニアは、大人になると学校の教師になり、老後は孫たちに囲まれて幸せに暮らし、1971年に81歳の生涯を閉じました。
そのとき、地元の新聞ニューヨークタイムスは第一面に「サンタの一番の友だちバージニア亡くなる」という追悼記事を掲載しています。