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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/13「ブンゼンの心遣い」

19世紀のドイツの化学者ロベルト・ウィルヘルム・ブンゼン。
彼は新しい元素のセシウムとルビジウムを発見したり、バーナーや電池、熱量計などを発明するなど数々の業績を挙げた大学者ですが、私生活でも数々の逸話を残しています。

あるときブンゼンが友人の家に招かれたとき、夜になって天気が急変し、大雨となりました。
そこで友人はブンゼンに、今夜はぜひこの家に泊まっていくようにと勧めました。
最初は遠慮していたブンゼンですが、あまりに友人が懇願するので、この申し出をありがたく受けることにしました。
ところが、しばらくするとブンゼンの姿が消えています。
「やはり遠慮してお帰りになったのか」と友人はがっかりしましたが、それから2時間ほど経ったころ、玄関のドアを叩く音がします。
開けてみると、立っているのは、ずぶ濡れのブンゼン。
手には大きな包みを抱えています。
「いったい、どうなさったんですか!」
驚く友人にブンゼンは、こう答えたのです。
「いやあ、泊めていただくのだから、せめて寝間着は自分のものをと思って、取りに帰ってきたところです」

偉大な化学者でありながら、どこかとぼけたような天真爛漫な人柄のブンゼンを、周りの人たちは尊敬と親しみを込めて「ブンゼン先生」と呼んでいたそうです。