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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/11「3ドルの報酬」

『トム・ソーヤーの冒険』で知られるアメリカの作家マーク・トウェイン。彼は純粋な社会正義感を終生もち続け、国民から慕われましたが、一方では頓知を働かせて人を煙に巻く、いたずらっぽい性格でもありました。

マーク・トウェインは17歳で独り立ちし、新聞社の印刷工として働いていましたが、給料は安く、いつも空腹を抱えている少年でした。

ある日のこと、高級レストランの前に立ってショーケースを眺めていたマーク少年。料理を眺めることで食べたつもりになっていたのです。
そこに1匹の見知らぬ犬が現れ、彼のそばにぴったり寄り添ってきました。
するとレストランにやって来た客の一人が足を止め、「きみ、毛並みのよい犬を飼ってるね。私に譲ってくれないか」と持ちかけてきたのです。
「3ドルで譲りましょう」とマーク少年。客は彼に3ドル払うと、犬を連れてレストランに入っていきました。

次に彼の前に現れたのは、きょろきょろと何かを探しまわっている様子の男。どうやら、さっきの犬の本当の飼い主です。
マーク少年は、「もし3ドル下されば、すぐにあなたの愛犬を捜し出してきます」と持ちかけました。
男は喜んで3ドルを彼に与えます。
マーク少年はレストランに入っていき、さきほどの客に「どうしてもこの犬を手放す気にはなりません」と謝り、3ドルを返して犬を連れて店から出てきました。

飼い主は犬と再会できて大喜び。17歳のマーク・トウェインは、良心に恥じることなく、それでもちゃっかりと、3ドルを稼いだのです。