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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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3/11「きずなキャラバン」

昭和41年、「東北の炭鉱跡地に夢のハワイをつくる」というコンセプトで福島県いわき市にオープンしたテーマパーク「スパリゾートハワイアンズ」。ここでの名物は「フラガール」と呼ばれる女性チームによるフラダンスのショーです。

当初は地元の住民から「娘たちが腰を振って踊るなんて」と反対されていましたが、宣伝のために全国を巡業してショーを披露したところ、いわき市に観光客が殺到。いつしかフラガールの踊りは地元が誇る郷土芸能となっていきました。

ところが去年の大震災と原発事故によっていわき市は甚大な被害を受け、スパリゾートハワイアンズも休業を余儀なくされてしまいました。
フラガールの中には家を失ったメンバーもいます。
にもかかわらず、彼女たちはその後も踊り続けました。
かつて初代メンバーが炭鉱の閉山で寂れる町を救うために全国を巡業した歴史に習い、総勢28人のフラガールが再び全国巡業に出たのです。
その名は「きずなキャラバン」。被災者を元気づけ、全国へ福島からの声を届ける役割を担っての巡業です。

地元の避難所への慰問公演を皮切りに、東北各地の被災地、さらに全国各地を回り、公演回数は半年で245回を数えました。
2泊3日で4つの県を回ったり、バスで遠距離の移動をすることも多く、メンバー全員の身体は悲鳴を上げていましたが、ステージの上では笑顔を絶やさず踊り続けました。

全国に希望と絆を伝えていったフラガール。つらくて長かった旅の終わりを待っていたように、彼女たちの本拠地・スパリゾートハワイアンズは先月、復興しました。