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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/26「空に道を拓いた女性達」

女性の人気職業のひとつ、客室乗務員は空の旅には欠かせない存在ですが、
実はこの職業は航空会社が考案したものではなく、一人の女性の熱意によって生まれたものでした。

今から80年余り前、アメリカの航空会社ボーイング航空輸送にエレン・チャーチという女性から手紙が届きます。
サンフランシスコの病院の看護師だったエレンは、乗客の看護のために自分を雇って欲しいと売り込んだのです。
当時は小さなプロペラ機で振動も激しく、恐怖を感じたり気分が悪くなる乗客もいたことでしょう。
そんな乗客の気分を和らげ看護するために、エレンは看護師の資格を持つ女性乗務員の必要性を訴えたのです。
これがきっかけとなってボーイング航空輸送は女性の採用を決定。
エレンは自分で同僚の看護師を選定し、採用された8人全員がミネソタ大学看護科卒業というスチュワーデスが誕生します。

初フライトは1930年5月15日。
グレーのダブルのジャケットスーツに紺色のマントとベレー帽というお洒落な制服もエレンがデザインしたもので、フライト中に機内でサービスするときは白衣の看護師というスタイルでした。仕事の内容は、搭乗案内から乗客の看護、食事や飲み物のサービスはもちろん、荷物を運んだり、機体の整備や、ホースを担いで給油なども行ったといわれます。

女性の職業を自分達で開拓し、タフに働いたエレンと仲間達。
空に道を拓いたそのフロンティア精神は世界に広がり、翌年には日本でも女性乗務員、エアガールが誕生するのです。