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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/15「仙台の福の神」

宮城県仙台市では、あちこちの店に同じ人物の写真が飾られています。
ドテラ姿で腕組みし、にこにこ笑っている男性の姿。それは「福の神 仙台四郎」です。

商売繁盛の福の神とされる仙台四郎は、明治時代に実在した人物です。
四郎は幼い頃に知的障害をもち、学校も行かずに毎日仙台の町を歩き回り、
なんとなく人の家に立ち寄り、笑顔を振りまいて、なんとなく帰っていくような少年でした。
でも、そんな四郎を町の人たちは皆歓迎し、もてなしていました。
というのも「四郎が立ち寄った家は栄える」といわれていたからです。

この噂が広まるにつれ、四郎は福の神だと評判になっていきました。
福の神かどうかはともかく、四郎自身はズルい人やウソをつく人、
不正を働く人が大嫌いで、直感的にそれを見抜く力が備わっていたそうです。
だから、そういう人の家にはけっして立ち寄らない??
つまり、誠実で正直な人の家に立ち寄ったからこそ、
その家が栄えるのはある意味、当然のことなのかもしれません。

もうひとつは、四郎の無邪気な笑顔。
どんなに不幸な目に合っている人も、屈託のない天真爛漫な笑顔の四郎が来ると、
まるで幸せそのものがやって来たような気になるのです。
こうやってあちこちの家に幸せを運んだ仙台四郎は、
やがて、ふっと仙台の町から姿を消してしまいました。

ただ一枚だけ残された四郎の写真が、いまも仙台の人たちの間で大切に伝えられ、
その笑顔に元気づけられているのです。