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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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8/21「日本最古の小学校舎」

民家の屋根瓦も壁も格子窓も、町並み全体が銅(あかがね)色に染まった岡山県高梁(たかはし)市吹屋(ふきや)。
その山間の小さな町の丘の上に建つのが、高梁市立吹屋小学校。
明治33年に建てられ、現在も使われている小学校木造校舎としては日本最古です。

黒ずんだ板張りに赤茶色の石州瓦(せきしゅうがわら)。
玄関から校舎を見上げると、明治時代にタイムスリップしたような感覚になります。
その美しさは夜間のライトアップで黄金色に輝き、プールの水面に映る本館はまるで金閣寺のような趣です。

111年目を迎えた吹屋小学校の今年の児童数は7人。
明治の最盛期に比べると寂しい数ですが、その代わり、授業はもちろん掃除や給食など、
児童と先生は何をするにもいっしょ。
校庭には野菜畑もあって、きゅうりやトマトの栽培には近所の農家の方が指導してくれます。
運動会ともなれば、学校内だけではなく地域ぐるみの大イベントになります。

吹屋の町の皆がやさしく見守ってきた吹屋小学校。
何よりも、この学校で学ぶ子どもたち自身が、自分たちの校舎に誇りを持っています。
それは、自分たちのおじいちゃん、おばああちゃんや、
もっと昔の吹屋の町の人たちが学んだ同じ校舎で勉強ができることを嬉しく思う気持ちです。

ところが、今後の入学者が増える見込みが立たないことから、吹屋小学校は来年3月で閉校されることになりました。
校舎はその後も重要文化財として保存されるようですが、その中から子どもたちの元気な声はもう聞こえなくなるのです。
「7名の児童には、最後の在校生として一日一日、校舎に愛情を注いで過ごしてもらいたい」?
これが日本最古の小学校の最後の校長となった先生の願いです。