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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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5/29「シーボルトの子供達」

間もなく六月、紫陽花の季節の到来です。
シーボルトと日本人妻、お滝さんの思い出を語り継ぐ紫陽花。
二人の間にはイネという娘が生まれ、後に日本人女性で初の西洋医学を学び、
産婦人科医になったことで知られますが、実はシーボルトには、日本で活躍した二人の息子がいました。

日本を追放処分となったシーボルトは48歳のときにオランダで結婚しています。
お滝やイネと別れて17年後の遅い結婚でした。
そして、日本が開国し追放令が解除されると、長男アレクサンダーを伴って来日し、
30年ぶりにお滝とイネに再会するのです。
このアレクサンダーが、その後、外務大臣・井上馨(いのうえ・かおる)の秘書を務めるなど
明治政府の外交に携わり40年余りに渡って活躍。
また、父親の影響を受けて日本に憧れていた次男ハインリッヒも来日すると、
兄とともに外交に活躍する一方、遺跡の発掘などに取り組み、
日本に初めて「考古学」を根付かせ発展させたといわれます。

イネは、この二人の弟の支援を受けて東京で開業、
宮内省御用掛(くないしょう・ごようがかり)になるなど産科医として活躍しました。

次男ハインリッヒは日本人女性、岩本はなと結婚しますが、長男誕生の際にはイネが赤ん坊をとりあげています。

父親に導かれて、それぞれ活躍の道を見出した子供達。
その子供達が日本で結んだ絆こそ、父親の大いなる愛が願ったものかもしれません。