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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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5/15「日本女子野球」

60年前の日本に、女子プロ野球があったことをご存知ですか。
最初のチームが産まれたのは、昭和23年。
東京のダンスホールのダンサーたちと横浜の女子高校生らで結成された東京ブルーバードです。
彼女たちは地方遠征を行い、地元のアマチュア男性チームと試合を行いながら、その入場料を糧にしていました。

その後、各地に次々と女子プロチームが誕生。
最盛期には全国に25ものチームがしのぎを削り、多くのスタープレイヤーが育ち、人気を集めていきました。

とはいえ、その経営基盤は脆弱で、資金が尽きて遠征先で泊まった旅館から夜逃げするチームもありました。
また、当時の女子野球に強く期待されていたのは見せ物的な要素で、観客から卑猥な野次を浴びせられることもあり、健全なプロスポーツとはほど遠い状況でした。
それでも、選手たち自身は一途に野球をしたい思いで溢れ、理不尽なことを我慢して、ひたすら野球に打ち込みました。
経営がうまくいかず親会社が逃げ出したチームでは、「おカネが入ってこないなら自分たちで稼ごう」と、
全員で近くの畑で獲れた野菜を売ったりしながらチームを存続させていきます。
皆、野球が大好きで、チームが大好き??それが当時の女子プロ野球選手だったのです。

女子プロ野球はその後、昭和27年から社会人野球に移行し、健全なスポーツをめざしていきました。

戦後間もない頃にわずか4年間だけ存在した女子プロ野球。
それは時代のあだ花だったのかもしれませんが、その選手たちは純粋に自分たちの野球を愛し、野球を楽しんでいたのです。