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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/10「飛行機の中のコンサート」

飛行機の出発が遅れて、機内でイライラした経験はありませんか。

今年の8月、中国の上海からオランダへ向かう飛行機は、離陸許可を待ち続けてすでに1時間が経過していました。
機内の中は、次第にイライラした空気が広がります。
しかも、飛行機はいつ出発するのかも分からない状況で、時間だけが過ぎていきました。
すると、乗客の一人が立ち上がり「暇つぶしになれば」と、自分の荷物の中から楽器を取り出しました。

その飛行機には、偶然にもオランダの交響楽団「アムステルダム・シンフォニエッタ」のメンバーが乗り合わせていたのです。
彼らは、北京と上海での演奏会を成功させ、自国のオランダに戻るところでした。
他のメンバーも次々と立ち上がり、バイオリンなどそれぞれの楽器を取り出して、機内の2列の通路に整列。
総勢22名でモーツァルトの楽曲を演奏し始めたのです。

何事が起こったのかと訝る他の乗客たちにも、やがて笑顔が広がっていきました。
機内は一瞬でコンサート会場に変わり、さっきまでの雰囲気が一新。
リラックスしながら耳を傾ける人、突然の出来事をカメラに収める人、
中には演奏者の楽譜をニコニコして持ってあげる人まで出てきました。
やがて演奏が終わると、機内は拍手と大歓声で包まれました。

飛行機が予定通りに出発していたなら、けっして聴くことはできなかった小さな演奏会。
飛行機の中でイライラする時間を至福の時間に変えてしまった幻のコンサートでした。