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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/15「独学少年の風力発電」

東アフリカの国・マラウイが、記録的な大干ばつに見舞われたのは2001年。
この時、小さな村に住んでいた14歳の少年の運命が一変します。

彼の名は、ウイリアム・カムカンバ。
農家の7人兄弟の2番目で、村の中学校に通っていたのですが、
大干ばつの被害で授業料が払えなくなり、学校を辞めさせられます。
そこで彼は、誰でも出入りできる小学校の図書館に通いつめ、様々な本を読み、独学で勉強を始めました。
そこで出会った一冊の本に、風力発電の風車が紹介されていました。
「これは、誰かが作ったもの。だったら、僕にもできるはず!」
ウイリアム君は、風車を作ることを決心。
当時、彼の村に電気は普及しておらず、灯りには薄暗い灯油ランプを使っていたのです。
彼は、ゴミ捨て場から自転車の部品やパイプなどを集めては、悪戦苦闘の組み立て作業を続けます。
その姿を見た村人からは、そんなものできるはずがないと鼻で笑われました。

しかし3カ月後、ついに高さ5メートルの小さな風車が完成。
取り付けた電球が光を放つと、村人たちからは一斉に驚きと称賛の声が上がりました。
村の記念すべき風力発電第1号は、4個の電球を灯し、2台のラジオを鳴らす電力をもっています。
彼の評判はどんどん広がり、各地から見学者が殺到。
やがて政府から大学に行く奨学金が認められました。
それから彼は7年の間に5基の風車を作って、村全体に電気の灯りを広げ、井戸水を汲み上げる電気ポンプも作っています。

現在21歳になったウイリアム君の夢は、よりパワーのある風車をつくって、その力で村全体に水を引いて農地を潤すこと。「何ごとも、やってみる前に諦めないで」という彼の強いメッセージは、マラウイの未来に新しい風を運んでいます。