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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/1「ブライユの点字」

今年は、「点字」を発明したフランスのルイ・ブライユの生誕200周年にあたります。

ブライユは、12歳の少年時代に、初めて点で書かれた文字に出会いました。
それは軍事用の暗号で、兵士たちが暗闇でも情報を伝えられる「夜間書法」と呼ばれるものでした。
点で文字が表現できることを知った彼は、息が止まるほど感激します。
ところがこの方法は、長い文字では12個も点があり、なぞっているうちに前の文字を忘れてしまうという欠点がありました。
そこでブライユは、点の数を減らして一本の指先だけで判別できるようにしたいと考え、3年の歳月を費やして6点で表せる点字に改良。
わずか15歳にして、6つの点で表現できる「ブライユ点字」を発明したのです。

大喜びしたのはパリの盲学校に通う生徒たち。
これなら書物を早く読むだけでなく、自分たちの思いも6つの点で書き記すことができるのです。

ところが、ブライユ点字は公式の文字として認められませんでした。
当時は、目が不自由な人にしか理解できない文字は、健常者との壁を作ってしまう、という考えがあったからです。
盲学校の校長もこの考えに賛成だったので、ブライユの点字は使用禁止になってしまいました。
しかし、生徒たちはブライユの点字を使うことを止めません。
休み時間や放課後、密かに上級生たちは下級生たちに教えながら、20年もの間、受け継がれていったのです。

ブライユ点字がフランスで公式に認められたのは、1854年。
ブライユが43歳で亡くなった2年後のことです。
彼は生前、自分が発明した点字が公式に認められることには執着していませんでした。
ただ目が不自由な人が自由に文字を読み書きできれば??その想いがパリの盲学校の生徒たちによって受け継がれ、今こうして世界中に広まったのです。