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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/4「里親デー」

昭和25年10月4日、日本に里親制度が始まったことから、この日を「里親デー」と呼んでいます。
里親とは、いろいろな事情により家庭で暮らせない子どもたちを、自分の家庭に迎え入れて養育する人。
里親制度は、児童福祉法に基づいて里親になることを希望する方に子どもの養育をお願いする制度です。

生まれたばかりで親に捨てられた過去をもつ女の子がいました。
児童養護施設で育てられ、その間に何度か里親に預けられたものの、「手がつけられない」と3日もせずに送り返されるような子でした。
でも、その子を預かった5人目の里親は、「彼女の素行の悪さは愛情に飢えていることの裏返しの表現」だと理解し、辛抱強く深い愛情で育てていきました。

そんな里親の元で、彼女は少しずつ少しずつ素直な心を育んでいくことができたのです。
20年後、彼女はその里親の元からお嫁にいきます。
自分のことをいつでも見守ってくれ、手を挙げられたことも、感情的になって怒られたことも一度だってなかった里親のお父さんお母さん。
いつも自分の幸せだけを願っていてくれた人に育てられたからこそ、いま自分は幸せな結婚ができたのだと思った瞬間、彼女にもうひとつの思いが芽生えました。

それは、「私を生んでくれて、ありがとう」
幼い自分を置き去りにして去っていった生みの親に対する恨みが、溶けるように消え、感謝の気持ちさえ起こったのです。
彼女はその後、今度は自分が里親となって行き場を失った子どもを引き取り、自分の実の子とともに深い愛情で育てています。

現在、さまざまな事情で家族と離れて暮らすことを強いられた子どもは全国におよそ3万6000人。
その中でおよそ2500人の里親が子どもたちを預かり、一緒に生活しています。