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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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8/16「女子大生が誕生した日」

きょう8月16日は、「女子大生の日」。
これは、日本で初めて3名の女子大生が誕生したことに由来しています。

我が国に国立の大学が出来たのは明治初期。
当時は女性に学問は必要ないとされ、大学に入学するのは男子、という暗黙の了解がありました。
ところが大正2年、現在の東北大学が「女性の受験を認める」と発表。
驚いたのは政府です。
東北大学総長の澤柳政太郎(さわやなぎまさたろう)の元に、文部省から詰問状が届きます。
そこには、「女性を大学に入学させることは前例のないことであり、すこぶる重大な事件である」と厳しく批判されていました。
しかし、澤柳は文部省に出頭し、信念を曲げることなく、女性が教育を受ける権利を熱心に説いたのです。

入学試験は予定通り行われ、中でも難関といわれた化学で、合格者11名のうち、2名が女性という快挙は世間でも注目を集めました。
こうして、大正2年8月16日に3人の女性が入学を果たしました。
そのうちの一人、黒田チカは、卒業後、理学士に、また丹下(たんげ)ウメは日本初の女性農学博士となり、二人とも「日本のキュリー夫人」と呼ばれ、さまざまな研究成果を発表しています。
その後も、彼女たちの活躍に憧れた女性が次々と東北大学入学を希望。
海外からの留学生も積極的に受け入れ、南極観測の初の女性隊員や日本で初めての女性法学士など、歴史に名を残す人物を輩出しています。

澤柳政太郎の語録に、「知らないのは恥ではない。知ろうとしないのが恥である」という言葉があります。
学びたい意思があっても学問の道を閉ざされていた女性にとって、澤柳の英断はどれだけ希望の光を与えてくれたことでしょう。
そしていまもなお、高い志を抱く女性たちによって、この言葉の精神は脈々と受け継がれています。