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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/5「きいちゃんの浴衣」

明後日は七夕ですが、この日は中国の故事で女の子の裁縫の上達を祈ったことから、「浴衣の日」にも制定されています。

石川県金沢市の養護学校の生徒で、「きいちゃん」という女の子がいました。
きいちゃんは、幼い頃の高熱が原因で、手足を自由に動かすことができません。
彼女は、お姉さんがもうじき結婚式を迎えることをとても楽しみにしていたのですが、お母さんに「きいちゃんは、結婚式には出られないよ」と言われて、落ち込んでしまいます。 それは、お姉さんに肩身の狭い思いをさせたくないという、お母さんの親心だったのですが、きいちゃんには理解できません。
「私なんて、生まれてこなければよかった」と泣き出すきいちゃん。

そこで、養護学校の先生が「ねえ、きいちゃん。お姉さんのために、お祝いのプレゼントをつくろうよ」と提案し、浴衣を作ることにしました。
真っ白い布を買ってきて、二人で生地を染めるところからスタート。
初めは手が思うように動かず、何度も針を指にさしてしまいますが、きいちゃんは「お姉さんへのプレゼントだから」と縫うのをやめません。

毎日、懸命に取り組んでいるうちに少しずつ上達していき、結婚式の10日前、ついに美しい夕焼け色の浴衣ができあがりました。
その浴衣を送ると、お姉さんはとても喜び、「きいちゃんと先生を結婚式に出てほしい」と言うのです。
結婚式の日、お色直しで浴衣を着て登場したお姉さんは、みんなの前できいちゃんを紹介しました。
「妹は手足が不自由ですが、私のためにこんなに立派な浴衣を作ってくれました。きいちゃんは、私の誇りです」と言うと、会場内は大きな拍手で包まれました。

きいちゃんは養護学校を卒業した後、和裁を一生の仕事に選び、勉強しているそうです。