TOPページへアーカイブへ
提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
←(6/7「思い出をつなぐ傘」)
(6/21「命のビザ」)→

6/14 「イルカの不思議な力」

「イルカセラピー」という言葉をご存知ですか?
犬や馬などの動物と接すると気持ちが癒されるなどの効果がありますが、イルカセラピーは、イルカとふれあうことで、自閉症の子どもたちの療法に役立てようというものです。
しかし、イルカセラピーの歴史は浅く、日本では1996年に研究が始められたばかり。
いまだ解明できない点が多いのですが、試験的な療法の中で、イルカとふれあった自閉症の子どもたちに明らかな変化が見られた、との報告が次々と発表されています。

香川県さぬき市では、自閉症の子どもとその家族を対象に、2泊3日のコースでイルカセラピーが行われています。
自閉症には、周りと上手くコミュニケーションが取れなかったり、自分が知らないものを体験することを極端に恐がる、などの症状があります。
初めは、ライフジャケットを着たり、海の水が顔にかかったりするだけでパニックを起こす子もいます。
そんなとき、不思議なことに、イルカはだれが助けが必要なのかを知っているかのように、泣いている子に近づいてくることがあるのです。
はじめはイルカに激しく抵抗した子どもたちも、やがて「イルカに触りたい」「イルカに餌をあげたい」と意思表示をするようになります。
また、ものごとを待つということができない子も、イルカとふれあうことの不思議な魅力に引きつけられたのか、いつそばに寄ってくるか分からないイルカを辛抱強く待つことができるようになっていきます。

このように海の中でイルカとふれあう体験を終えた後は、「妹への暴力がなくなった」「家で飼っている犬に興味を持ちはじめた」といった声が聞かれます。
子どもの病気を周囲に理解してもらえずに苦しんでいたお母さんは、「自分自身の癒しにもなり、子供と余裕をもって接することができるようになった」と語っています。
イルカには、子どもにも、その家族にも前向きな気持ちをもたらす??そんな不思議な力があるのかもしれません。