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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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5/10「野鳥の声を届けたい」

きょう5月10日から愛鳥週間です。
福岡市のボランティアグループ「バードコール」では、野鳥の声を録音してCDを制作しています。

代表の田中良介(りょうすけ)さんは、もともと点字図書館で目の見えない人たちに本の朗読をしていたボランティアの一員。
ある日、ご自身の趣味であるバードウォッチングを通じて、みんなに野鳥の声を聴かせてあげられたらどんなにすばらしいだろう、と思いついたのがCD制作のきっかけでした。

録音機を片手に福岡県内をはじめ、ときには佐賀県や大分県へも出向いて、1年間録りためた音を70分程度に編集。
CDのジャケット制作まで行い、おもに視覚障害者の人たちに無料で提供しています。
CDは今年で5作目。
配布先は年々増え、現在、郵送や点字シールづくりなどの作業は、手伝ってくれる8名のスタッフに支えられています。
そのスタッフの中には、ご自身が全盲でありながら、自然の音を録音し続けている方もいます。
そうして出来上がったCDには、鳥の声の合間に鳥の姿や生態などを紹介する語りも入っているので、見たことがない鳥を想像する楽しさがあります。
CDを手にした方々は、鍼やマッサージの診療室でBGM代わりに流したり、家族みんなで自然の音を楽しんだりとさまざま。
病気で途中から全盲になった方からは、「森の中の風景が鮮明に思い出されて、懐かしい記憶が蘇ります」と感激の声が届くそうです。

録音が最も忙しいのは、これから野鳥の繁殖期となるおよそ1ヵ月間。
子孫を残すために全身で愛情表現をする鳥の声は、命のさえずりそのものです。

録音には必ず奥様といっしょに出かける田中さん。
仲睦まじい「おしどり夫婦」で、これからも美しい鳥の声を届け、楽しませてください。