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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/15「盗まれた思い出」

アメリカ・オクラホマ州のジェイミー・マッケルラスさんが、レストランで食事をしていたときのこと。
彼女は、駐車場に停めてあった車の中にカメラを置きっぱなしにしていました。
ところが、その1時間の間にカメラは盗まれてしまいました。
そのときの後悔の念は、とても一言では言い表すことができません。

彼女は手術のできないガンと宣告されていて、最後の家族旅行にテキサスの遊園地を訪れ、思い出のぎっしり詰まった写真を子供たちに残そうとしていたのです。
ジェイミーさんは涙ながらにテレビで訴えました。
「どうか、私の思い出を返してください」
すると数日後、そのテレビ局のリポーターに一本の電話がかかってきました。
相手は名前を名乗らず、「ニュースを見たら胸が痛んだので、カメラを返したい」と申し出ました。
そして、「駅の駐車場に赤い車がある。その後ろを見るように」と伝えると電話は切れてしまいました。
リポーターが指示された場所に行くと、そこに置いてあったのは間違いなくジェイミーさんのカメラでした。

大切なカメラを受け取ったジェイミーさんは、目に涙を浮かべて言いました。
「これがどんなに大切なものか、説明できません。
どなたか分かりませんが、正しい心を持っていてくださって、本当にありがとう」
彼女にとって、そして子供たちにとっても、お金では買うことのできない大切な思い出が返ってきたのです。

ジェイミーさんは、「もしも犯人が捕まっても、起訴はしません」と笑顔で答えました。
他人の過ちを許すジェイミーさんの心は、どんなに重い処罰よりも、犯人を改心させるきっかけになるのかもしれません。